Roots Forest
テーマを設定する時、デザイナーによっていろいろやり方があります。
クリエイションの方法は人それぞれ。
僕は気になる物事を何年か溜め込んで成熟させて、それが幾つかある中で今回はこれがつくりたいなと思ったものをデザインしてる。
「Roots Forest」ルーツ フォレストもそんな感じで溜め込んだテーマ。
今回のテーマは個人的なバックボーンからの創作。
僕は本当に何もない山奥で生まれ育った。
ずっとそこで育ちながらも、なぜこんな山奥に人が住もうと思ったのだろうか?と子供ながら考えてた。
近くには縄文時代の遺跡が発掘もされていて、昔から人が住んでるのは分かってた。でもなんでこんな所?こんな場所は人が住むには厳しすぎる。
じゃあ何処から来たんだろう。
先祖を遡ってみたけれど、江戸時代初期まで遡っても先祖はここに住んでる。江戸時代以前は自分の場所を離れることは外国に行くようなもの。
ということは、先祖は何処からか来たのではなく、ずっとここに住んでいたんだ。
僕は子供の頃から顔が濃い。多分、縄文系なのだろうなと思ってた。
大人になって北海道に住む機会があり、アイヌの文化に触れる機会があった。何かすごく懐かしくて、ああ、これだと思った。
僕は北海道になんの関係もないし、血縁もない。
でも、懐かしく感じた。
調べると僕の生まれ育った場所には蝦夷(エミシ)と呼ばれた原日本人が住んでたらしい。彼らは自然を愛し自然に畏怖しながら、自然と共に生きてきた民族らしい。
ジブリで描かれた、もののけ姫に出てくるアシタカもそのモチーフ。
森には一本一本の木があり、地上からは見えないけれど、地中にしっかりと張り巡られた根があり、森は雄大に存在してる。
森の根。根の森。上下は同じ世界。
2014-15AW FRAPBOISのテーマは
「Roots Forest」ルーツ フォレスト
“深く深く潜る根の森”
蝦夷やアイヌ
北の原日本人をイメージしたコレクションです